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オルタナ75号(2023年12月20日発売)

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【75号目次】

■第一特集: サステナ2024メガトレンド/「厳格EU」対「緩い日本」ESG路線対立 鮮明に

ESG(環境・社会・ガバナンス)政策で、欧州と日本の間の「溝」が鮮明になってきた。EUはESGで域内外のリーダーシップを執ろうと、法規制を続々と打ち出す。一方、日本政府は「GX」の名のもとに、企業の自主性に任せる緩い枠組みにとどめる。日本企業はどちらに顔を向ければ良いのか。

Gウォッシュ規制、世界で監視強まる
グリーンウォッシュへの規制が世界で強化されている。実体や科学的根拠に裏打ちされた合理的な理由がないにもかかわらず「サステナブル」「生分解性」「環境配慮」などを謳う。関連する訴訟も増えた。「カーボンニュートラル」についても、その中身の精査が求められる。

規制も罰則もない日本の排出量市場
世界的に見ても異質な「キャップなしトレード」型の排出量取引が日本で始まった。排出量取引制度は、取引価格を公示することで多排出企業に脱炭素化を促す施策だ。総量規制がない日本独自のやり方を専門家はどう見るか。

GHGスコープ3、悩む前に算定を
ネットゼロを目指すには供給網(スコープ3)も含めた脱炭素化が欠かせない。だが、供給網の算定は正確なデータを入手できず、課題が山積みだ。国際NGO CDPの幹部は、「供給網の算定は不完全でもいい」と言い切る。

「経営」と「人材」、戦略に一貫性を
人的資本経営とは、人材を「資本」と捉え、中長期的な企業価値向上につなげる経営を指す。人的資本経営に詳しい大喜多一範氏は、「人材戦略を経営戦略に紐づけることが重要だ」と解説する。(Future Vision社長・大喜多一範)

自然資本の豊かさ、新たな成長機会に
自然資本の回復を経営戦略に組み込む企業が増えてきた。積水ハウスは生物多様性を回復する事業のあり方を探る。自然資源に依存しながら事業を展開する資生堂は、サステナ調達を強化した。

ジェンダー改革、司法が一石投じる
「LGBT理解増進法」が6月23日に公布され、同日に施行された。修正が加えられるたびに後退する法案に対し、当事者らは「差別を助長しかねない」として、強く抗議していた。一方、同性婚や性別変更のための生殖不能要件を巡り「違憲」判決を出すなど、司法が一石を投じようとしている。

国家人権機関がなぜ日本にないか
「国連ビジネスと人権の作業部会」が2023年夏に初めて公式来日し、ジャニーズ性加害問題を調査したことで、日本でも「ビジネスと人権」への関心が一気に高まった。同部会は「日本には独立した国家人権機関がないことを深く憂慮する」と指摘。24年6月に最終報告書を提出する予定だ。

■エルコ・ファン・デル・エンデン(GRI CEO)インタビュー:
サステナ開示は低コストで簡便に
各国でサステナ情報開示が義務化される中、企業側の負担も増している。今後のサステナ開示はどうなるのか。サステナ報告基準を定めるGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)のエルコ・ファン・デル・エンデンCEOに聞いた。

■マーク・クラマー(FSG共同創業者)インタビュー:
パーパス経営は行動に移してこそ
社会的使命を追求する「パーパス」(存在意義)を掲げる企業が増えている。パーパス経営の実現には、企業が社会課題を理解し、競争戦略に落とし込むことが重要だ。マイケル・ポーター教授とともにCSV(共通価値の創造)を提唱したマーク・クラマー氏は「お飾りのパーパスでは意味がない」と言い切る。

■トップインタビュー:「自分らしさ体現し、真のリーダーへ」
ジョイ・ホー・ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング社長
LGBTQの認知が広がっているものの、当事者を取り巻く環境は厳しい。レズビアンであることを公表しているユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングのジョイ・ホー社長は、「『自分らしく』を体現するリーダーであるためにカミングアウトを決意した」と明かす。

■トップインタビュー:「心理的安全性もサービスの土台に」
高崎 邦子・JTB執行役員DEIB推進担当
新型コロナ禍を機に、ダイバーシティ施策を拡大したJTBは、2023年4月に、「DEIB」を掲げた。心理的安全性を指す「B(ビロンギング)」を加え、DEIB推進でサービスの質を上げる。担当役員にその戦略を聞いた。

■トップインタビュー:「『なぜ』売るのか、モノより理念示せ」
梅田 直孝・コクヨ執行役員
コクヨは、中長期的な成長を目指すためサステナ経営に舵を切った。働き方や暮らし方に関する困り事を特定し、商品を通してその課題の解決に取り組む。「なぜ」売るのかを深堀りし、商品そのものより、企業理念や文化を押し出す。

■編集長コラム「alternative eyes」:「子どもだまし」のGXで大丈夫か
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで11月30日、COP28(気候変動枠組条約第28回締約国会議)が開幕しました。118カ国の首脳が「2030年までに再生可能エネルギーの発電容量を最低でも110億キロ㍗と、これまでの3倍にする」との意欲的な施策を討議し、気候変動対策の軸を「再生可能エネルギー」に置いて、脱炭素を目指す国際的な潮流を再確認しました。

■高橋さとみの切り絵ワールドー変わらないもの
景色や手法が変わっても
大切なものの本質は古来よりあまり変わらない

■世界のソーシャルビジネス
[スイス]単一素材のみで循環型バッグを
アップサイクルブランドの先駆者として知られるスイス発「フライターグ」。トラックタープ(幌)やシートベルトといった廃棄素材を使ったバッグ類は日本でも人気だ。このほど単一素材のみを使用した初の循環型バックパックを開発し、2024年春にも販売する。

[ギリシャ]ギリシャに初の廃棄物ゼロの島
2022年、ギリシャのティロス島が世界初の廃棄物ゼロの島を達成した。このゼロ・ウェイストプロジェクトをティロス市政府と共に推進したのがギリシャに本社を置くポリグリーン社だ。廃棄物の分別回収の教育、定期的な資源回収、アプリでの可視化と住民へのフィードバックなどを通じて取り組みを牽引した。

[米国]コーヒーを色分け、農家の賃金保証も
米ニューヨークで弁護士が立ち上げたコーヒーショップが話題だ。コーヒー農家の8割が貧困状態であるなか、生産者への公正な賃金を保証する。支援内容ごとに色分けし、来店客に分かりやすく表示した。創業者は、「生産者を大切にするとコーヒーは美味しくなる」と話す。


■第2特集:反ESGは一時的、リスクを直視せよ
本田桂子・コロンビア大学国際公共政策大学院客員教授
2024年に大統領選を控える米国で、ESG(環境・社会・ガバナンス)を投資手法に組み入れる動きへの反発が強まってきた。コロンビア大学でESG投資を教える本田桂子氏にESGを考慮した運用手法は受託者責任に反するか聞いた。

■サステナブル★セレクション2023:三つ星にライオンやアシックスなど
オルタナとサステナ経営協会は2023年11月24日、サステナブルな製品/サービスを推奨する「サステナブル★セレクション2023」三つ星の認定証の授与式を開いた。三つ星には、ライオンやアシックスなど8社・団体の製品を選んだ。

■「脱炭素チャレンジカップ2023」オルタナ最優秀ストーリー賞:
佐賀県で利用進む、低コスト地中熱
佐賀県で「有明未利用熱利用促進研究会」と題したプロジェクトが進む。県内の大学や企業、金融機関など30社・団体が集まり、地中熱の実験を進める。そのうちバイオテックス(佐賀市、原田烈社長)は、地中熱交換器を「横方向」に埋没することで、コストを約3分の1減らした。

■オルタナティブの風(田坂広志) 創発のマネジメント
教育や経営の世界では、しばしば、「管理か、自由か」という問題に直面するが、その難しさを象徴するのが、1990年代後半に注目された「創発のマネジメント」である。

■エゴからエコへ(田口ランディ) 「若者たち」
この4月から、熱海の鍼灸学校に入学して東洋医学を学んでいる。アジア情勢を知るには「昭和史」は必須なのだが、若者はいまだそれを義務教育で学ぶ機会がないらしい。

■ESG情報開示最前線(ESG情報開示研究会)
情報開示のメガトレンドは
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は2023年5月に今後2年間のアジェンダの優先度に関する意見募集を公表し、9月1日で締め切りました。

「統合報告」に起きる3つの動き
ESG情報開示研究会(代表理事・研究会座長 北川哲雄)では、9月上旬に欧州を視察し、国際会計基準(IFRS)財団などを訪れました。

■真のサステナビリティ投資とは(澤上篤人) 新NISA協奏曲に浮かれるな
国を挙げての「貯蓄から投資へ」大合唱から、首相の唱える資産運用立国ときて、いよいよ2024年からは新NISA制度が始まる。いずれも、その方向や良しだが、どこまで国民の資産形成につながるかが問われよう。とりわけ、新NISAは大きな問題をはらんでいる。

■モビリティトピックス(島下泰久)
クルマを自由な表現の「場」に/トヨタと出光、全固体電池で協働/FC大型トラック、共同研究相次ぐ/自由な移動、体重移動で

■モビリティの未来(清水和夫) 循環型モビリティに価値見出せ
「お疲れさま」という声がアチコチで聞こえた。とにかく4年ぶりのモーターショーだったので、クルマの未来がどうなるのか、多くの人が興味を示したショーだった。実は今年からは「ジャパンモビリティショー(JMS)」というコンセプトに変え、自動車産業以外の企業が参加しやすいイベントとなった。

■農業トピックス オルタナ編集部
オーガニックビレッジ相次ぐ/輸入バイオマスが原生林減らす/農業のB面市場、規模3千億円超に/ネイチャーポジティブを投資判断に

■日本農業 「常識」と「非常識」の間(徳江倫明) 日本の有機市場、2240億円に
前回記事で、2021年の「みどりの食料システム戦略」の公表以来、さまざまな側面からのアプローチで有機農業は日本の農業の25%の成長分野になるということを述べた。それを示す新しい情報としては農林水産省が公表したオーガニックマーケットの市場規模がある。

■林業トピックス オルタナ編集部
EU森林破壊規制まで1年/「森林と人権」ユニリーバがトップに/熊本県小国町に「森林×脱炭素」賞/キャロウェイ、大学生と森を守る

■「森を守れ」が森を殺す(田中淳夫) 花粉対策も脱炭素も行き詰まる
岸田首相が2023年5月に、花粉症対策を言い出した。そこで政府が打ち出したのは、スギ人工林を10年後に約2割減少させ、30年後に花粉の発生量を半減させること。具体的には、スギ林を毎年約7万
ヘクタール(現在は約5万ヘクタール)皆伐し、また10年後に植林するのは9割以上を無花粉・少花粉の苗木にするとしている。

■漁業トピックス オルタナ編集部
公海を守る協定に67カ国賛同/痩せウニの再生養殖で磯焼け防ぐ/天然ブリ激増で養殖に大打撃/持続可能でアイルランド漁業が躍進

■人と魚の明日のために(井田徹治) 「無法地帯」の船上で人権侵害
世界中の海で中国漁船による深刻な人権侵害や違法漁業が行われている実態を長期間にわたって追跡、つぶさに記録した特ダネ映像を米国の「アウトロー・オーシャン・プロジェクト」が作製、公開した。プロジェクトを主催するイアン・アービナ氏は、米ニューヨークタイムズ紙の記者時代の2015年、遠洋漁業での強制労働や奴隷労組が横行する実態に関する記事を執筆し、世界的に注目された。

■フェアトレードトピックス(潮崎真惟子)
イオントップバリュが大賞に/小中高向け認定制度、日本でも/米のラベル認知4年で2倍に

■フェアトレードシフト(潮崎真惟子) サステナが品質を高める時代に
9月、国内初となるフェアトレード認証に特化したコーヒーの品評会が都内で開催された。日本スペシャルティコーヒー協会とフェアトレード・ラベル・ジャパンの共催で行われた同品評会は、近年世界10
カ国以上で毎年開催されるフェアトレード認証コーヒー品評会「ゴールデンカップ」との連動企画だ。

■ファンドレイジングトピックス(日本ファンドレイジング協会・宮下真美)
国内最大会議、24年3月開催へ/戦略的な資金調達でNPO後押し/資金調達者の収入、インフレ率超す/「インパクト」の拡大狙うIMMとは

■社会イノベーションとお金の新しい関係(鵜尾雅隆) 「インパクト」の次のステージは
筆者は2008年から本格的に「社会のお金の流れを変える」取り組みをはじめ、寄付や社会的投資(インパクト投資)の推進に携わってきた。23年の今、感じることは、「ついに準備が整った」という感覚だ。

■廃棄物・静脈物流トピックス(エコスタッフ・ジャパン)
廃ボトル争奪、公取委が調査/環境省、水平リサイクルの新制度/水平リサイクル、太陽光パネルでも/水素エンジントラックが実証走行

■論考・サーキュラーエコノミー(細田衛士) 循環経済が人と人との絆を取り戻す
経済学の始祖アダム・スミスは、経済主体の利己的な動機に基づく行動が市場を通じて人々を経済的に幸福な状態に導くことを明らかにした。他人の幸せを考えて行動するわけでもないのに、各人が自己利益を追求するだけで、社会全体の幸せがもたらされるという考え方は、資本主義を奉じる者にとって有り難い考え方だ。

■欧州CSR最前線(下田屋毅) 食のサステナの推進者
日本サステイナブル・レストラン協会(SRAジャパン)は、3回目となる「フード・メード・グッド・ジャパン・アワーズ2023」を11月20日に開催した。これは、国内の飲食店・レストランからサステナビリティの取り組みを推進した店舗を表彰するものだ。

■CSRトピックス(CSR48)
難民支援と企業の関係を考える/障がい者がさまざまな職種で活躍/観光庁が阿蘇の自転車ツアーを表彰/TNFDが本格的にスタート/「PRIDE指標2023」834社が認定/AOKI、スーツをシューズにリサイクル/[総監督のつぶやき](CSR48・太田康子) 「とても身近な存在だった難民」

■「こころざし」の譜(希代準郎) カラスの神様
カウンターに一列に並ぶ黒い影。目を凝らすと何とカラスだった。六羽はいるだろうか。止まり木につかまり丸い目を細めて行儀よく寿司をつまんでいる。

■編集後記

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