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オルタナ72号(2023年3月30日発売)

¥990 税込

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オルタナ72号 ★ 目次

April 2023 vol.72
contents

from editor in chief
3 alternative eyes 森 摂 「地球に優しい」はもう止めよう

social design gallery
4 命と環境守る福島の防災緑地

art
9 高橋さとみの切り絵ワールド─見せかけ

social business
around the world
11 [ウガンダ]廃棄牛乳で化粧水、マラリア予防にも
13 [デンマーク]100%植物由来、プラフリーのガム
15 [米国]高齢者の生活守るプリペイドカード

feature story1
16 ウォッシュ監視 国連も行政も
環境やSDGs、ESGなどに配慮しているように偽る「グリーンウォッシュ」への包囲網が、着々と狭まっている。大きな転機は2022年11月、国連のグテーレス事務総長による「ウォッシュ撲滅宣言」だ。すでに欧州では「ウォッシュ」を取り締まる規制や法制化が相次ぎ、グリーンウォッシュは「ソフトロー」から「ハードロー」に変わり始めた。

22 [英国] 公取委が監視強化、消費財も対象に
日本の公取委に当たる英競争・市場庁(CMA)は2023年1月、新たに食品、飲料、洗剤、セルフケア用品などの消費財について「グリーンウォッシュ」の監視対象とすると発表した。CMAは消費者保護の視点から、環境配慮をうたう商品・サービスを対象に、その表現や主張の根拠を精査する。

23 [消費者庁] 根拠なき生分解プラ、行政処分の対象に
消費者庁は2022年12月、「生分解性」をうたっていたカトラリー類やレジ袋などの表示が「優良誤認」にあたるとして、10社に対し行政処分を行った。生分解性プラは、「特定の環境下」で生分解するが、土壌や海中でも分解するかのような誤解を与えると判断した。

24 [視界不良の炭素中立] ゼロエミ火力、リスクも輸出
政府は2050年「カーボンニュートラル」を目指すが、化石燃料業界には「不透明なカーボンニュートラル」が広がる。自称「CO2を出さない」火力発電はCO2そのものを輸出する計画まで出てきた。カーボンニュートラルな液化天然ガス(LNG)もクレジット頼みだ。

27 [GX基本方針] 原発・化石燃料、「脱炭素に使うな」
政府は今後10年間のエネルギー政策として「GX基本方針」を掲げた。しかし、その内容は、原発の最大限活用や石炭火力の維持など、国際潮流と逆行する。認定NPO法人気候ネットワーク東京事務所の桃井貴子所長は「ウォッシュそのものだ」と指摘した。

28 [木質バイオマス発電] 石炭よりCO2多い輸入木質ペレット
大規模な木質バイオマス発電所の建設が全国で相次ぐ。燃料となる木質ペレットの輸入量は年々増加し、国内生産量の約20倍に上った。しかし、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき理事長は、輸入木質ペレットを使用した場合のCO2排出量の多さを問題視する。

29 [ドリーム燃料装置] 「永久機関的に動く」、人工石油に疑問符
2023年1月、大阪市や大阪府などの支援で、「水と大気中のCO2などから生成する人工石油」の実証実験があった。この「ドリーム燃料製造装置」を開発したのは、京大名誉教授で立命館大学総合科学技術研究機構・上席研究員の今中忠行氏だ。同氏はオルタナの取材に対して、装置を「永久機関的だ」と形容した。

30 [現代奴隷] 希少金属を巡りEVに人権リスク
電気自動車(EV)用バッテリーには、コバルトやリチウムといった希少金属が不可欠だ。しかし、その採掘現場や生産プロセスでは、児童労働や強制労働が起きている。自動車メーカーは環境性能だけでなく、人権に関する情報開示を進めなければ、「ウォッシュ」と批判されるリスクもある。

31 [チャットGPT] 性差別や人種差別、AIにも偏見潜む
対話型AI「チャットGPT」の登場で、AIと人間との距離が一気に縮まった。AIは、作業だけではなく、意思決定の自動化まで進め、さまざまな場面で実用化されている。一方、学習データのバイアス(偏見)によって、公平性が失われるなど倫理的なリスクも抱える。

32 [ピンクウォッシュ] LGBTQ+啓発、宣伝先行に注意を
「LGBTQ+」を巡る権利擁護や啓発の一貫で、企業のロゴが「レインボー」に彩られる機会が増えた。差別や偏見が根強い社会で、LGBTQ+に関する取り組みの広がりを歓迎する声が高まる一方、「ピンクウォッシングでは」という批判的な声も聞こえてくる。

33 [動物福祉] 畜産物の飼育環境、客観的な説明を
アニマルウェルフェア(動物福祉)を担保するためには、客観的な指標が必要だ。しかし、多くの日本企業は客観的指標を明示することなく、牧歌的なイラストや「大切に育てた」など、あいまいな表現で飼育の実態を覆い隠している。

feature story2
34 最大のリスクは社員からの不信任
「『SDGsウォッシュ』がもたらす最も深刻なダメージは、社員のエンゲージメントの低下だ」。こう主張するのは、ソニーブラジル社長、WWF(世界自然保護基金)ジャパン事務局長を経て、現在は中堅・中小企業のSDGs経営を支援する筒井隆司・日本ノハム協会専務理事だ。同氏がSDGsウォッシュのリスクを解説する。

feature story3
36 「SDGs疲れ」、全世代に広がる
オルタナ総研はオズマピーアール(東京・千代田)と、企業のサステナビリティ領域実務担当者と生活者を対象にした「SDGs意識調査」を行った。企業のSDGsに関する情報発信は増えているが、生活者の「SDGs疲れ」とでも呼ぶべき現象が浮き彫りになった。

top interview
38 パーパスと信念で社員を能動的に 掬川 正純(ライオン 代表取締役社長CEO)
ライオンはパーパス(存在意義)を実践するための拠りどころとして、ビリーフス(信念)を策定している。その信念を共有するために、社内への情報発信やワークショップを重ねる。その意図を掬川正純社長に聞いた。

40 個が活きる職場はDEI指標から 宮地 純(カルティエ ジャパン プレジデント&CEO)
カルティエ ジャパンが職場を自分らしく働ける「居場所」にする取り組みに力を入れる。DEI(多様性・公正性・包摂性)の一環で、性別や国籍、障がいの有無などを乗り越え、すべての人々を迎え入れる施策だ。「DEI指標」の作成を目指す。

42 最先端ICTで児童労働を可視化 佐藤 利弘(ロッテ 常務執行役員[ESG担当])
ロッテは2023年2月、国内初となるブロックチェーン技術による実証実験を始めた。ブロックチェーンのシステムを活用して、サプライチェーンの児童労働リスクの可視化に取り組む。非上場企業でありながらESG/サステナ経営を推進する狙いを聞いた。


columns
45 オルタナティブの風 田坂広志 民主主義と資本主義の「過信」
47 エゴからエコへ 田口ランディ 「危険な国保」

finance
48 ESG情報開示最前線 ESG情報開示研究会
49 真のサステナビリティ投資とは 澤上篤人 日銀はあるべき姿を取り戻せ

mobility
50 モビリティトピックス 島下泰久
51 モビリティの未来 清水和夫 FCEVが日本で増えないワケ

agriculture
52 農業トピックス オルタナ編集部
53 日本農業 「常識」と「非常識」の間 徳江倫明 農業は「農家の専有物」ではない

forestry
54 林業トピックス オルタナ編集部
55 「森を守れ」が森を殺す 田中淳夫 林野庁が描く日本の森の未来図

fishery
56 漁業トピックス オルタナ編集部
57 人と魚の明日のために 井田徹治 海藻食と藻場の未来

fair trade
58 フェアトレードトピックス 潮崎真惟子
59 フェアトレードシフト 潮崎真惟子 リスク評価は何から始めるべきか

fundraising
60 ファンドレイジングトピックス 宮下真美
61 社会イノベーションとお金の新しい関係 鵜尾雅隆 「ウォッシュ」への懸念が質高める

circular economy
62 廃棄物・静脈物流トピックス エコスタッフ・ジャパン
63 論考・サーキュラーエコノミー 細田衛士 時代は「ハイパワードマテリアル」

65 欧州CSR最前線 下田屋毅 食のグローバルムーブメント

66 CSRトピックス CSR48

68 SBL(サステナブル・ビジネス・リーグ)とは

69 バックナンバー

flash fiction
70 「こころざし」の譜 希代準郎 アコーディオン弾きの自転車旅

72 次号予告&編集後記

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