オルタナ86号(2026年9月30日)
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■「alternative eyes」: 社会課題と製品・サービスの「新結合」
オルタナ86号(2026年9月発売号)をお届けします。今号の第一特集は『アウトサイドイン 先進・先鋭77事例』です。アウトサイドインはSDGsのビジネス指南書「SDGコンパス」に記述があります。本号で紹介した77のビジネスが、深刻な社会課題を解決していくことを願ってやみません。
■スペシャルトーク: バトンを次世代へ気持ちよく
小泉今日子さん
2026年内の活動休養を発表した小泉今日子さんは社会問題について積極的に発言してきた。大量生産・大量消費の時代を生きてきた自身の世代への反省から、「次の世代に気持ちよくバトンを渡せるように生きたい」と話す。 政治やエネルギー、消費、そしてサステナビリティについて、小泉さんの考えを聞いた。
■高橋さとみの切り絵ワールド—芽生えて咲いて
■第一特集: アウトサイドイン先進・先鋭77事例
社会課題の解決を新たなビジネス創出につなげる「アウトサイドイン」。市場にすでにあるニーズではなく、その先にある「社会ニーズ」を捉えることで、同業他社が見つけていない事業機会が生まれる。先進・先鋭77事例から、その可能性を探った。
■パーパスを製品にどう託すべきか
川上智子 早稲田大学大学院経営管理研究科教授
なぜ企業が掲げたパーパス(存在意義)が商品やサービスに浸透しないのか。サステナブルマーケティングに詳しい川上智子・早稲田大学大学院教授は、「パーパスと商品マーケティングに一貫性がないからだ」と指摘した。一貫性をもたせるポイントとは。
■JAXA、宇宙から 社会課題解決へ
WHERE 西村仁COO
社会課題の解決に宇宙技術を活用する新興企業が増えて いる。衛星データをAIで解析し、空き家や太陽光発電用 地を探すほか、水道管の漏水の端緒を発見するなど街づくりやインフラ維持を行う。 宇宙航空研究開発機構(JAXA) もこうした企業を支援する。
■トップインタビュー: ファンとともにサステナを広げる
浅古有寿 バンダイナムコホールディングス代表取締役社長CEO
バンダイナムコグループは年間600以上のIP(知的財産) を取り扱う。特性に応じた事業ポートフォリオを持ち、ヒットに左右されない安定した収益基盤を築く。 浅古有・社長CEOは、「ファンとともにサステナを広げる」と意気込む。
■トップインタビュー: 漢方とAI親和性 効果実証進めたい
杉井圭 ツムラ代表取締役COO(最高執行責任者)
ツムラは、医療用漢方製剤の価値向上に向け、伝統医学と先端 技術の融合を進める。杉井圭COOは「漢方薬とAIの親和性は 高い」とし、現在ある129処方の科学的根拠の充実を図る考えだ。気候リスクを踏まえた生薬の安定供給や供給網の高度化にも取り組む。
■トップインタビュー: サステナ追求が 「美」の革新生む
楠田倫子 日本ロレアルコーポ―レート・レスポンシビリティ本部長
世界最大の化粧品メーカーのロレアルグループは、サステナビリティを成長戦略の原動力と位置付け、脱炭素・自然・循環・コミュニティ支援の4本柱で野心的な2030年目標を掲げる。同社日本法人でサステナビリティをリードする楠田倫子氏に話を聞いた。
■世界のソーシャルビジネス
[米国]200兆円市場イチゴが切り開く
米 Oishii Farm (オイシイファーム)は世界で初めて植物工場でイチゴの量産に成功した。日本の技術力を軸に、サステナブルな農業を目指す。 天候に左右されない食料生産システムを構築できれば、200兆円の巨大産業に成長すると見込む。
[タイ]AIで微生物肥料農家所得上げる
タイの山岳地帯で微生物由来の肥料を開発する再生農業スタートアップのリビング・ルーツが、海外へ事業を拡大している。AIエンジニアから転身した創業者は、膨大な土壌データをAIで分析して有機肥料を開発する。 化学肥料の価格が上昇する中、農家に肥料の切り替えを促し収量拡大と所得向上を支援している。
[ブラジル]コーヒーの殻を捨てずにチョコに
世界最大のコーヒー生産国ブラジルのフードテック企業セルヴァは、コーヒー精製時に大量廃棄されるコーヒーの殻をアップサイクルして、代替チョコを生み出した。食品廃棄物の削減と、カカオ供給網のサステナビリティという2つの社会課題の同時解決に挑むビジネスとして、世界から注目を浴びている。
■第二特集:CCSに死角あり 経済合理性欠く
経産省はGX(グリーントランスフォーメーション)の切り札として「CCS(CO2の回収・貯蔵)」の本格導入を進めるが、最大の課題はそのコストだ。1トン当たり最大2万円と見積もるそのコストは、日本のカーボンクレジット市場で取引される市場価格相場の4倍に及ぶ。普及への道のりは遠い。
■第三特集:GGコード改訂 説明能力問われる
コーポレートガバナンス・コード (CGコード)が大きく変わった。33あった原則数が30に減ったが、 経営者には説明能力がより求められるようになった。 松田千恵子 ・東京都立大学大学院教授は、「経営者の説明能力が企業価値を左右する」と指摘した。
■第四特集:「温暖化地獄」は今「2丁目」に来た
地球の気温上昇が止まらない中、東京大学の山本良一名誉教授は「温暖化地獄」を提唱するなど30年以上にわたって環境問題を研究してきた。当時、「温暖化地獄 の1丁目はすぐそこに」と警鐘を鳴らした山本教授は、いま、「世界は温暖化地獄 の2丁目に来た」と言い切る。
■第五特集:東南アのEV販売シェア40%台へ
東南アジア主要国で電気自動車(EV)が急拡大している。2026年上半期のベトナムの新車販売台数に占めるEV比率は約40%に達し、タイでも約3割に上った。中国・ベトナム勢の攻勢で日系の牙城が揺らぐ一方、消費者はEVを経済合理性で選んでいることがわかった。
■第六特集:TISFDに期待と壁
2026年5月、不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース (TISFD)が開示フレームワークのベータ版を発表した。 TISFDは人権・不平等を企業開示に組み込む新たな国際枠組みだ。開示を目的化せず、「当事者の声」を起点に人権の取り組みを促進することを期待する。
■オルタナティブの風(田坂広志) 「救命艇状況」に向かう世界
世界は混沌とした状況を呈しているが、人類の未来を考えるとき、思い起こすべき二つの論文がある。一つは『成長の限界』、もう一つは『救命艇の倫理』である。
■エゴからエコへ(田口ランディ) 座敷わらしは引っ越したのか
岩手県大槌町にある早池峰神社の神楽を観に行った。数百年もの間、地域の神楽衆によって受け継がれてきた早池峰神楽は、2009年にユネスコ無形文化遺産となった。
■サステナ規制にどう向き合うのか(小口誠司) 反ESGでも開示の質高まる
IFRS財団のエマニュエル・ファベール・ISSB議長は2026年5月末、ドイツでのカンファレンスで講演し、「最も多く耳にするのは『ESGの終わり』という言葉だ」と冒頭で切り出した。
■真のサステナビリティ投資とは(澤上篤人) 今こそ個人消費で経済成長を
高市政権の唱える成長戦略だが、お役人の作文に近いといったら失礼にあたるだろうか。2040年までに官民で370兆円を超す資金を投じるという、かつてない大規模の産業政策が報じられている。
■モビリティの未来(清水和夫) ポルシェは課題起点で生まれた
世界中のクルマ好きを魅了し続けるポルシェ。その代名詞であり、誰もが知る最高峰のスポーツカーが「ポルシェ911」だ。
■日本農業 常識と非常識の間(徳江倫明) 収量は減るのか、減らすのか
6月27日の日本農業新聞にこんな記事が載った。「有機転換支援見直しを財務省、米の収量減 問題視」というものだ。少し記事を引用すると、「財務省は(6月)26日、国の事業に無駄がないか点検をする予算執行調査の結果をまとめた。
■「森を守れ」が森を殺す(田中淳夫) 林業界に外国人は就労するか
このところ、外国人就労に対する目が厳しくなってきた。極端な排外主義もはびこりだしている。だが林業界では外国人の受け入れが促進されていることをご存じだろうか。
■人と魚の明日のために(井田徹治) 低価格支えたブラックなウナギ
「今年のウナギは豊漁で価格が安い」「大手スーパーでは2割は安いお手頃価格だ」。2026年7月26日、夏の土用の丑の日、ウナギに関する報道は例によって、こんな調子のものばかりだった。
■フェアトレードシフト(潮崎真惟子) 環境表示への不信、広がる
EUは2026年9月末から、「グリーン移行のための消費者エンパワメント指令」(EmpCo指令)の適用を始めた。曖昧なサステナビリティ表示を不公正な取引履行として禁じる規制で、EUの消費者に売る限り日本企業も例外ではない。
■社会イノベーションとお金の新しい関係(鵜尾雅隆) 「インテント起点」に課題解決を
社会課題を起点に新たなビジネスを創出しようという考え方は、これからの企業経営、特に先進国型が直面する社会課題の先行事例ともいえる日本において、欠かせない視点であることは間違いない。
■論考・サーキュラーエコノミー(細田衛士) 「サンシャイン計画」を再び
今般のホルムズ海峡問題では、エネルギー供給に不安のあることを日本は改めて思い知らされた。ガソリン価格の急騰やナフサ不足に由来するプラスチック製品の調達困難によって、私たちの生活にはさまざまな影響がもたらされたのだ。
■aiterna youth(sakurako) 民主主義を学び直す
東京・田園調布にある「民主主義博物館」が開館1周年を迎えた。世界情勢が緊迫する中で、民主主義や政治について学び直す重要性がますます高まっている。
■欧州CSR最前線(下田屋毅) 包装そのものを減らすEUの発想
EUで2026年8月12日、「包装・包装廃棄物規則(PPWR:Packaging and Packaging Waste Regulation)」の原則適用が始まった。
■「こころざし」の譜(希代準郎) 「ブン屋」の約束
どの世界にもその道を究めた者には人の心を波立たせる物語がある。鎌倉の古刹は三日続きの霧雨に煙っていた。
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